老犬のコホン(咳)は?

ワンちゃんも年を取ると運動をいやがったり、日中よく寝ている事もあります。しかし、年を取ったからといって健康であるのに咳をすることはありません。咳が続く様ならワンちゃんのために原因を見つけてあげましょう。

咳をする原因は、大きく分けて2つあります。一つは肺の病気で、もう一つは心臓病です。しかししこの2つは、お互いに関係しあっている事もあります。それを見つけなければいけません。

原因を探るには、まず家での観察からです。本当に咳なのか、それともクシャミや吐き気なのか、またはリバーススニーズ(逆クシャミ)と言って鼻をすする動作なのかを見極めなければいけません。クシャミが鼻から来るのに対して、咳はのどから来ます。咳だとしたら、1日の中でいつ起こるのか?特別の場所で起こるのか?どれくらい続くのか?咳をした時の舌の色は?呼吸は苦しそう?などよーく見てあげて下さい。

病院では、家での様子をお伺いし、身体検査を始めます。ワンちゃんを触る前に呼吸様式や姿勢を観察し、可視粘膜(舌や歯ぐきなど見ることの出来る粘膜)を評価します。そして、聴診器で肺や心臓の音を聞きます。肺にタンが絡んでいないか?心臓の異常はないか?その後、全身状態の評価や他の病気がないかを見る事も忘れません。

呼吸器の問題で咳をする事は、年齢に関係なく時々見られます。刺激のある気体や粉などを吸い込んだり、むせて食べ物や飲み水を吸い込む事もあります。またウィルスや細菌の感染で肺炎を起こす事もあります。どんな原因にしろ炎症が起きると気管や気管支に分泌物(タン)がでて、それを出そうとするのが咳です。特に年取ってくると気道の細胞にあるひだの働きが弱まり症状が重くなります。ただし、感染症の中でジステンパーやパラインフルエンザ、アデノ2型のウィルスは予防注射で防ぐことができます。

心臓の病気ででる咳は、2次的な肺への障害によって年とったワンちゃんによく見られ、特に小型犬では、僧帽弁閉鎖不全症、フィラリアの予防をしていないワンちゃんは、フィラリア症が原因になる事が多く見られます。

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室の間にある弁の締りが悪くなることによって、血液の逆流が起こります。そのために左心房が拡大し近くに通る気管を刺激し、咳を引き起こします。さらに悪化すると肺のうっ血が起こり肺水腫(肺胞に水が染み出て酸素交換が出来なくなる)が起き、呼吸困難によって命を落とす事もあります。この病気は、定期的な健康診断で早期に発見し、食事と生活と薬によってコントロールしてあげる事が大切です。

フィラリア症は、蚊がうつす20cm以上もある寄生虫によって起こる病気で、その虫は後大静脈や右心房・右心室・肺動脈に寄生します。まず、虫の分泌物や排泄物によって肺動脈硬化症が起き、右心不全が見られます。この結果、咳がでたり全身の臓器の障害(肝硬変、腎不全など)がみられます。この病気は、月に1回の飲み薬か年2回の注射の予防によってほぼ100%防ぐことが出来ます。

たかが咳だと思って油断せず、よくワンちゃんの様子を見てあげて、おかしいと思ったらすぐに病院にいらして下さい。

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