学校でうさぎと暮らすには

うさぎって?

うさぎは草食動物です。私たち人間は、雑食、犬や猫は基本的には肉食で、うさぎの食事は身近にある食事とはまるで違います。ですから人や犬猫に比べて非常に複雑な消化システムを持っています。特に盲腸は非常に大きく、お腹の中のほとんどを占めています。 盲腸の中では食べた植物を栄養に変える細菌がいて、うさぎに栄養を与えます。また、栄養を取るために明け方に柔らかい自分の便をたべる行動(食糞)をします。このように、うさぎは私たち人間とはかなり違う動物です。しかし、けしてぬいぐるみではありません。うさぎのことを十分に理解して、学校の一員として付き合ってあげてください。

なまえ

学校のうさぎは、野原のうさぎ(野生)でも、肉や毛皮をとるうさぎ(家畜)でも、薬の開発や生物の真理を研究するためのうさぎ(実験動物)でもありません。生徒たちと学校で暮らすために来ました。ひとかたまりにうさぎではなく、一人一人(1羽1羽)に名前をつけてあげてください。そして絵を描いてあげて、みんながその子その子の区別がつくようにしてください。そうすれば、うさぎとのコミュニケーションが取れるようになると思いますし、健康管理もうまくいくと思います。

お世話

うさぎの世話は毎日必要です。みんなが喜んで世話をするようになるのは大変かもしれませんが、おそらく基本は「きれいに、楽しく」ではないかと思います。クラスの中の連帯感や上下の学年間の結びつきなどを考え、みんなや先生たちのアイデアと努力で学校独自の方法を作ってください。みんなは毎日うさぎの世話をすることによって、その暖かい手のぬくもりと必要とされているという喜びを感じるかもしれません。動物に接することによって病気の方やお年寄りの健康状態が改善したり、心が安らいだと言うお話もあります。コミュニケーションの取れる動物(犬や猫やうさぎなど)とのふれあいにはそんな力があるのかもしれません。うさぎのお世話はもちろん当番制になるとは思いますが、その列は予防注射を待つ列ではなく、大好きな給食を待つ列にしてあげてください。

おうちとそうじ

うさぎが本来住んでいたのは野原です。野原に穴を掘って暮らしていました。しかし、東京で私たちと暮らしているうさぎはそうは行きません、家で暮らしているうさぎは部屋の中やケージの中です。また、学校で暮らしているうさぎは、校庭のうさぎ小屋か教室のケージの中です。本来と違う環境ですが、私たちと仲良く暮らすには必要なことです。以前の学校のうさぎ小屋には土があり穴が掘れるようになっていました。なるべく自然に近くと言う配慮からでした。うさぎは穴を掘り、夜行性のため昼間は穴の中で暮らし子供たちはうさぎの姿を簡単に見ることができませんでした。また、雄雌の区別をしていない学校では、穴の中でうさぎがどんどん増え餓死する子うさぎもあったそうです。

前に述べた様にうさぎは穴の中で暮らしていました。そのため学校でも身を隠せる落ち着ける場所が必要です。そのために小屋を作ってもらいました。小屋の中は、落ち着ける事と衛生的な事、また夏は涼しく冬はあったかいと多少相反するようなことが要求されます。1年中オールマイティーなんていううさぎ小屋はありません。季節によって手を加えてあげてください。

食事

食事は干し草と野菜を中心に与え、ペレット(固形飼料)は制限して与えるようにします。ついついペレット(固形飼料)を中心に与えてしまいがちですが、これは消化器疾患のもっとも大きな原因となります。うさぎの胃腸機能は粗繊維分が豊富にないと正常に働きません。ペレット中心の食事を与えていると胃の動きも悪くなり、ひいては毛球症や胃鬱滞の原因となってしまいます。

◇ あげてほしいもの

  1. 干し草:「敷物」、短く裁断してあるもの(くしゃみの原因)、アルファルファはだめです。
  2. 野菜類:小松菜、チンゲンサイ、キャベツ、レタス、セロリ、パセリ、ブロッコリー、大根の葉
  3. 体格の2-3倍の容量で1日2回
  4. ペレット(少量)
  5. 水:床や体がぬれて汚れるようなら給水ビンを使用してください。

◇ あげてはいけないもの

  1. お菓子類
  2. 人間の食べもの
  3. ねぎ類、アボカド、にんにく
  4. うさぎのおやつ

◇ 避けてほしい物

穀物、芋、かぼちゃ、煮干、一部の観葉植物
野草は地域にも依りますが、寄生虫の感染源になったり殺虫剤、除草剤で中毒を起こす可能性もあるので注意が必要です。果物類はおやつ程度に少量なら与えてもかまいません。食事は朝夕の1日2回がいいと思いますが、うさぎはもともと夜行性なので日が暮れてから食事をはじめる子もいます。

☆ ペレット(固形飼料)について

うさぎがペットとして飼育されるようになったのは最近のことです。手間がかからず、早く成長するような食事としてペレットが登場しました。そのため、内容的にはアルファルファなどの高タンパク、高カルシウムの植物を用いられたものがほとんどです。成長期や妊娠期の食事には適しますが、大人になってもそればかり食べていると消化器疾患、肥満、泌尿器疾患、そして呼吸器障害などのもとになってしまいます。ペレットは不必要なものではありませんが、それだけ与えるのは考えものです。しかし、最近はチモシーなど線維を多く含んだ材料を使ったペレットも市販されています。

☆ 干草の保管

干草を保存する際の注意点は、「湿気」です。湿気を含んだ干草は、嗜好性が下がるだけでなく、カビなどが生え、病気の原因になります。タッパーやビニールの袋に小分けにして鮮度を保ちましょう。新鮮な干草は香りがよいため嗜好性も高く、栄養もあり、衛生的です。1番気にするべきことは、干草を長期保存しないことです。

健康のために

うさぎの病気は人間と同じようにいろいろあります。健康を保つには、まずうさぎを毎日ちゃんと見てあげ、話しかけてあげることが大切です

 

  • 一日たった数分でかまわないのです。うさぎとふれ合う時間を作ってください。そうすれば、正常時のうさぎの身体をよく知ることができます。
  • トイレをチェックしましょう。硬くて丸い糞に大きさや形の違いがないか調べてください。これは腸に問題があるかの指標になります。
  • 大量に毛が落ちていないか。(皮膚病や毛球症に気をつけなければいけません。)
  • 尿の状態を見てください。濃い白色や灰色の尿をみつけたら、1~2日前に大量のカルシウムを含む食事を摂取したかもしれません。
  • 毎日数分でもクシやブラシをかけてあげて余計な被毛を取り除きます。
  • 徹底的にうさぎの生活エリアの清掃をする。
  • 目や鼻から分泌物がないことを確認する。
  • 耳の奥まできれいかどうかみる。定期的にチェックしてあげましょう
  • 爪切り
  • 足の裏が腫れたり、化膿していないかをみる。
  • 歯のかみ合わせがうまくいっているかをみる。
  • 下顎のチェック(何かコブのような物はありませんか)
  • ノミのチェックとフケの有無(ダニの寄生かも)を見てください。

☆大切なのは愛情を持って接し、よく観察してあげることです。

かわいいうさぎと付き合うには

うさぎにもいろいろな性格があります。その性格は年齢や性別、去勢や避妊手術の有無、群れの中の順位によるようです。しかし、学校のうさぎはみんなと仲良くしてほしいものです。注意することは、「怖い思いをさせないこと」と「悪いことはさせないこと」です。「怖い思いをさせないこと」は、私たちがやさしく接してあげることです。生徒たちは、悪気がなくても急で思わぬ行動をとり、元気なかん高い声を出します。このことがうさぎをびっくりさせることになります。まず、ゆっくり動いて、優しく話しかけ、静かに抱いてあげることです。抱く時には包み込むように、不安定な時には首筋をしっかり持ってあげてください。基本的には抱いて歩いたり、空中で受け渡しをしないでください。みんなは、爪で引っかかれてびっくりするかもしれませんので、抱いてもらう時は座ってひざにバスタオルを引いてあげてください。「悪いことはさせないこと」は、目の前にかじってはいけないものを持ってかないことです。特にみんなの指をうさぎの前に持っていって大怪我をすることがあります。このことは、みんなにとってもうさぎにとっても不幸なことですので生徒によく話してください。

 当たり前のことですが、うさぎはおもちゃではありませんし、友達のように一緒に走って遊ぶこともできません。元気よく遊びたいなら犬を選ばなくてはいけません。うさぎは自然の中では捕まえられて食べられる側の動物です。そしてうさぎを襲う動物たち(狐や猛禽類)は、多くは上から襲ってきます。不意に上から手を出すとびっくりしますので、姿勢を低くしてうさぎの目線になってあげてください。そして、生徒たちがうさぎの気持ちを考えてあげられるように指導してください。そうすれば、もしかしたら同級生の気持ちも考えてあげられるようになるかもしれません。

どうして学校にうさぎが居るの?

「どうして学校にうさぎが必要なのか?」はみんなの間で話し合ってみてください。みんなの気持ちがひとつにならなければ学校でうさぎと暮らすことはできないと思います。三角定規のように生徒たちの学校生活に必要なものですが、一回そろえればもう終わりと言うわけにはいきません。

ラビチャロちゃんの病気と死

 

ラビチャロちゃんは1年半前の2002年10月4日に2~3日前から元気がなくやせてきたという事で病院に来ました。診察(しんさつ)すると右側に首を傾げてしまう斜頚(しゃけい)という症状が見られました。この斜頚という症状は、うさぎさんに時々見られるもので、うさぎが首をかしげ、バランスを崩してしまうもので、前庭(ぜんてい)と言う神経病の症状です。これは、脳に問題がある中枢性(ちゅうすうせい)と外耳炎や口の中から細菌が入って内耳炎になる末梢性(まっしょうせい)があります。どちらも症状が進むと目の玉が左右にゆれる眼振(がんしん)や食欲不振(しょくよくふしん)などが見られ、命にかかわりますし、治り(なおり)づらい病気です。この斜頚になるとちょうど、船酔いになったり、ぐるぐる回った時にふらふらしたり、まっすぐ立っていられなくなるのと同じような状態です。ひどくなるとどっちが上かわからなくなり、ごろごろ回ってしますため上下左右をぴったりとタオルなどで支えてあげて安心させてあげなければいけません。

ラビチャロちゃんは、診察を受けた日から抗生物質(こうせいぶっしつ)を飲み始め、目薬を付けてもらいました。みんなの努力で、治療はじめは、また食欲も出て、斜頚も軽くなりました。しかし、この病気はなかなか治らない病気です。ラビチャロちゃんの症状はよくなったり悪くなったりを繰り返しました。この大変な病気の中でもラビチャロちゃんは、比較的(ひかくてき)食欲もあり元気に生活ができました。これは、みんなの愛情通じたためだと思います。病気の中には治せる病気と治すことのできない病気があります。治せない病気になってしまった時に大切なのは、病気から逃げるのではなく、病気と一緒の生活の中でどうやって素敵な時を過ごすかということだと思います。ラビチャロちゃんは、このように病院に来て、みんなで世話や治療をして、かわいがってあげなければ、病気と闘いながらこんなにいい生活が送れなかったと思います。

しかし、ラビチャロちゃんは昨日死んでしまいました。お別れのときが来たのです。人間もうさぎさんも生まれたあと病気になったり、年をとったりして死んでしまいます。死んでしまう事はとっても悲しい事ですが、「負けてしまった事」や「終わってしまった事」ではなく、それまで一生懸命(いっしょうけんめい)生きてきた証(あかし)です。まさにラビチャロちゃんは、ラビチャロちゃん自身のがんばりとみんなの愛情でとっても素敵に生きてきたと思います。いっぱいほめてあげて下さい。そして死んだあとどこに行くかは知りませんが、少なくともラビチャロちゃんと接したみんなの心の中にはいつまでも入ると思います。もしかしたら、またどこかで会えるかもしれません。病気になったり年をとったり死んだり、場合によっては生きる事自身すら「苦しい事」事かもしれませんが、生きる事も病気になった事も年老いていく事も死んでしまう事も本人や周りの人たちにとっては一生懸命なことなので、どれも「すばらしい事」だと考える事もできるかもしれません。

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