年取っても、元気いっぱいだワン!

最近、ワンちゃんも高齢化が進み、平均寿命は12~15歳と言われていて確実に延びています。これは、伝染病に対するワクチンが普及したこと、フィラリア症に対する予防が進歩したこと、獣医療の技術の向上、フードの質の向上、そして何より飼い主さんの「ワンちゃんも大切な家族の一員」という意識の高まりにあると言えるでしょう。

そして、ワンちゃんも加齢に伴って健康上さまざまな変化が起きて病気にかかりやすくなってきています。

変化としては、まずあまり運動しなくなるなど身体活動が低下すること、必要とするエネルギー量も減少するのでカロリーオーバーになりやすくなること、つまり肥満になります。また、肥満は、心臓病や皮膚病などさまざまな病気の原因になったり、症状を進ませることもあります。逆に、筋肉量が減少し、脂肪の割合が増加するため体重としては減ることもあります。

肥満と関連して起こる問題として、関節の病気が起こりやすくなります。これは、関節の軟骨が加齢とともに擦り減り、硬い骨と骨が接触することにより痛みや炎症が起きてしまうためです。初期の症状としては、歩くのを嫌がる、跛行する(足をひきずる)、着地不能(足をつけなくなる)などが見られます。

また高齢になると、免疫細胞の働きが減少してしまうため、免疫力が落ちてきます。更に、一生を通じて動物の身体では酸化という過程が進みます。この時できる酸化物質は身体にとって良い働き(有益でない細胞を壊したり、細菌を殺す作用)もしますが、蓄積されてくると免疫細胞に障害を与えてしまいます。このため、高齢になると感染症や癌にかかりやすくなります。また、酸化物質は脳の細胞にも障害を与えやすいため、行動異常(夜中に鳴きつづけるなど)が見られるようになることもあります。

おおむら動物病院 健康相談 イラスト胃腸の問題としては、腸内の有益な細菌が減少し、不利益な細菌が増加してしまうため、下痢を起こしやすくなります。

口の中の問題としては、歯垢や歯石の蓄積により歯肉炎の発生が増加します。歯肉炎になると口が臭くなり、歯肉から出血したり、ひどくなると歯が抜けてしまい硬いものが食べられなくなったりします。

これらの変化を予防し、発症を遅らせるために飼い主さんがお家で出来ることの一つに、食事管理があります。各メーカーからシニア用のフードが販売されていますが、高齢期の問題に対応した工夫がされています。シニア用のフードにいつ頃から変えたらよいのかというのは、ワンちゃんの大きさによって違ってきます。これは、犬の大きさによって寿命が異なるからです。具体的には、0~10kgの小型犬、10~25kgの中型犬なら7歳齢から、25~40kgの大型犬なら6歳齢から、40kg以上の超大型犬なら5歳齢からがいいと言われています。

また、ネコちゃんの場合も同じように高齢に伴い問題は起きてきます。ネコちゃんの場合は、体型に大きな差がないので、シニア用のフードは7歳齢からがよいと言われています。

「もう年だから好きなものを食べさせてあげたい」と思われる飼い主さんが多いかもしれませんが、少しでも長く飼い主さんと一緒に過ごせる事がワンちゃんやネコちゃんにとっても幸せな事ではないでしょうか。

病院でも、年齢にあわせた食事の指導を行っていますので気軽に相談してください。また、今回お話した症状と似たような症状がでていると思われた方は、一度診察を受けてみて下さい。

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