ネコちゃんは、恋の季節

ネコちゃんは、発情期になると落ち着きが無くなり、大きな声で鳴いたり外へ出たがるようになります。飼い主さんもネコちゃんのこのような行動により、眠れなかったり、悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。
ネコちゃんの発情には、次の三つの特徴があります。

一つ目は、繁殖季節があるということです。日本などの北半球では、1~8月の日の長い時期が雌猫にとっての繁殖季節にあたり、この時期に発情を繰り返します。ただし、家庭で飼育されている猫は、夜間の照明の影響で、繁殖季節がはっきりしないこともあります。また、雄猫は日照時間に関係なく、一年中繁殖が可能です。

二つ目は、交尾排卵動物であるということです。交尾排卵とは、交尾による外陰部と膣への刺激により排卵がおこることをいいます。ネコちゃんの場合は、交尾後24~30時間で排卵します。ウサギやミンクなども、交尾排卵動物です。これに対して、自然排卵動物は、交尾刺激がなくても自然に排卵がおきる動物のことをいい、ワンちゃんや人間などほとんどの動物がこれにあたります。

三つ目は、多発情型であるということです。これは、繁殖季節の間に何回も発情がおこることをいいます。

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
  繁殖季節       繁殖季節
発情
周期
2-3
週間
2-3
週間
2-3
週間
    2-3
週間
2-3
週間
2-3
週間
        2-3
週間
2-3
週間
発情期                                            
5-10日間     5-10日間         5-10日間

体が成熟して子供が作れるようになる性成熟に達するとこのような特徴のあるネコちゃんの発情は、始まります。この月齢は、品種や産まれた季節、飼育環境によっても異なります。一般的には、生後6~10ヶ月で性成熟に達すると考えられていますが、早いものでは、4ヶ月例で発情がおきるこもいます。また、短毛種のほうが、長毛種に比べて性成熟が早いことが知られています。雄猫の性成熟は雌猫と比べると遅く、精子が現れるようになるのは7ヶ月齢です。

発情の周期は、平均2~3週間ですが、繁殖季節の中で一定間隔で発情行動を繰り返すわけではありません。多くの場合は、2~3週の間隔で2,3回発情行動を繰り返し、1~2ヶ月の間をおいて再び繰り返します。

発情も次の三つの時期にわけられます。まず、発情の0~1日目を発情前期といいます。この時期は、雄猫を受け入れる姿勢は示さず、交尾は行われないので発情兆候や発情姿勢を判断しづらいです。続く5~10日間くらいを発情期といいます。この時期が雄猫を受け入れる(交尾を許容する)期間です。この時期は、うめくような大きな声で鳴いたり、頭部や頚部を手近なものにこすりつけたり、床に転がったり背中をこすりつけたりします。また、人が撫でたり、雄猫のアプローチを受けると、上半身をかがめて肘を床につけておしりを持ち上げるようにし、しっぽを一方に反らし交尾を促すしぐさ(ロードシスといわれます)をします。そして、落ち着きがなくなり、尿の回数も増え、外に出たがるようになります。外に自由に出られる場合には、雄猫が家の周りに集まるようになります。その後、次の発情前期までのお休みの時期を発情後期といいます。

ネコちゃんは、先に述べたとおり、交尾排卵動物なので、発情の間はいつでも受精が可能です。だから、一回外へ逃げ出しただけでも交尾が行われれば妊娠してしまう可能性があります。また、外へ出ることは交通事故にあったり、けんかなどによって怪我を/裏面へつづく
したり、猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスなどの伝染病がうつる危険もあります。

もし赤ちゃんを生ませる気持ちがなかったり、外へ行きたがって落ち着かないネコちゃんの様子を見ているのが忍びない、また泣き声にお悩みでしたら避妊手術を考えてあげてください。手術をすると、子宮や卵巣の病気になることを防ぐことができます。できれば、最初の発情の前に手術をすると、乳腺の癌になる確率が低くなるといわれています。

一方雄猫の場合は、知らないうちに雌猫を妊娠させてしまうことがあるかもしれません。またスプレー行動の解消の一つの手段でもあり、甘えん坊の優しい性格になるので去勢手術を考えてあげてください。

飼い主さんの判断で、ネコちゃんとの健康で楽しい素敵な生活が築けると思います。

おおむら動物病院 健康相談 イラスト

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