ワンちゃんの健康な女の子のリズムと病気の話

女の子のワンちゃんは、発情期になると外陰部から出血したりおしっこの回数が増えたりします。お家の中が汚れてしまったり、お散歩の時に男の子のワンちゃんがそばに寄ってきたりして、ちょっと困ってしまったことはありませんか?

はじめの発情:ワンちゃんは、生後約10ヵ月齢で性成熟(体が成熟して子供が作れるようになること)に達します。性成熟に達する時期は、犬種や飼育環境によって多少差があり、一般に小型犬は早く、大型犬は遅いことが知られています。性成熟すると、女の子は、6~10ヵ月で発情周期を繰り返しますが、この間隔も小型犬は短く、大型犬は長く、6~7歳齢を過ぎると間隔が不規則となり長くなる傾向があります。またバセンジーは1年に1回しか発情しません。そして発情の期間は、ワンちゃんの場合はねこちゃんと違って季節に関係ありません。

女の子のリズム:ワンちゃんの発情は次の4つの時期にわけることができます。それらの時期を発情前期→発情期→発情休止期→無発情期と呼びます。

発情前期:まず、外陰部からの発情出血が始まってから8日間くらいを発情前期といいます。(この期間は3から27日間とかなり個体差があります。)外陰部からの出血は、初めは赤褐色で粘稠性(赤い色が濃く、粘り気)がありますが、しだいに色が薄くなって水様になり出血量も増えて、この時期の終わり頃にはピンク色になり量も減り、外陰部は1番大きくなります。女の子は落ち着きがなくなったり、水を飲む量やおしっこの回数が増えたりし、外陰部から分泌される性フェロモンによって男の子を引き寄せてしまいます。しかしまだ交尾は許容しないので、寄ってくると嫌がります。

発情期:続く約10日間を発情期といいます。(この期間も5から20日間とやはり個体差があります。)外陰部からの出血は、ピンク色で水様です。この時期の2~3日目に排卵がおき、外陰部は一番大きくなったまま柔らかくなり、4~5日目から徐々に小さくなっていきます。そして、この頃の女の子は、男の子が近づくと立ち止まり、足を踏ん張り、尾をあげて左右のどちらかにずらし、交尾を許容する姿勢をとります。

発情休止期:発情出血が止んで、男の子を許容しなくなってからの2ヶ月間を発情休止期といいます。この時期は、卵巣に黄体が形成され妊娠を維持する働きをするホルモンが分泌されます。黄体機能は妊娠期間と同じ約2ヶ月間続きます。つまり、ワンちゃんは妊娠しなくても発情後2ヶ月間は妊娠したのと同じ状態になっています。そのため個体差はありますが、乳腺がはって乳汁がでたりすることがあり、このことを偽妊娠とよんでいます。この頃飼い主さんがお腹をさすったりして乳腺を刺激すると、さらに乳腺が大きくなります。また、そこに細菌が感染して乳腺炎を起こすと硬く痛くなり治療が必要です。そして、この時期は赤ちゃんにとって居心地のいい状態の子宮は細菌にとっても居心地がいいので、子宮が細菌感染を起こしやすい状態になっています。そのため、子宮蓄膿症になる危険性が高いのはこの時期です。多飲多尿(お水をいっぱい飲んで、おしっこをいっぱいする)や外陰部から膿のようなおりものがでていないかなど、注意してください。

無発情期:黄体が退行してから次の発情出血が始まるまでの、だいたい4~8ヶ月間、つまり発情休止期と発情前期の間を無発情期といいます。1年のほとんどを占めるこの時期はホルモンレベルが低くなり、避妊手術をしているワンちゃんと同じように落ち着いた状態になります。

ワンちゃんと人間:ワンちゃんの発情出血は、発情期にホルモンの影響で子宮の内膜が充血し拡張して破れて出血するものです。人の月経(生理)の、黄体が退行するときに内膜がはがれおちて出血するものとは違います。つまり、同じ外陰部から出血する症状があっても、妊娠しやすい時期がワンちゃんと人間で違うので注意が必要です。

病気の予防のために:もし、赤ちゃんを生ませる気持ちが無いのなら、避妊手術を考えてあげてください。最初の発情が来る前、または発情が一回来ただけの時点で手術をすれば乳腺の癌になる確率が低くなるといわれています。また、発情が二回以上来た後でも、手術をすれば子宮や卵巣の病気は予防できます。そして発情出血や散歩の時に気を使う必要がなくなります。

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