子宮蓄膿症~おなかに膿がたまる怖い病気

子宮蓄膿症は、メスのワンちゃん、猫ちゃんに見られる病気で、細菌感染を伴うために子宮の中に膿汁(ウミ)が貯留することによって起こる子宮の急性または化膿性疾患で、この膿汁が外陰部から排泄されてこないタイプ(閉塞性)のものと、黄~赤褐色の膿汁が排泄されてくるタイプ(開放性)のものがあります。

○ 原因

通常子宮内への細菌の侵入は生じにくいのですが、
発情周期に伴って分泌される黄体ホルモンが大きく関与しています。
黄体ホルモンは子宮内膜を肥厚させますが、この状態の子宮は細菌感染に対する防御能が弱いために外陰部からの感染が起こると子宮内で細菌が繁殖し、膿汁が貯まってしまうことになります。

○ 特徴

犬では6歳を過ぎる頃から多く発生しますが、
もっと若くてもみられます。犬は発情周期が他の動物に比べて長く、発情後に黄体期が約2ヶ月も続き、この時期に子宮蓄膿症を起こしやすいのです。
猫では8歳を過ぎた頃から発生頻度が高くなるといわれていますが、もちろんもっと若くても起こり得ます。猫は犬と違って交尾排卵動物(交尾刺激によって排卵の起こる動物)なので犬に比べると発生頻度が低いといわれています。
また、犬も猫も産歴のない個体に本症が発生しやすいといわれています。

○ 症状

 外陰部から粘液や膿性のおりものがみられるまで殆ど症状に気付かない場合が多いです。症状がさらに進むと、元気消失、食欲不振、多飲・多尿、腹囲膨満、嘔吐・下痢などの症状がみられることが多く、重症例では多臓器不全からショック症状を引き起こし、死に至ることもあります。病気が起きるのは必ず発情の後1~3ヶ月(黄体期)なので、その時期お水をたくさん飲んだり、オシッコが増えたりしたらすぐ病院に。

○ 治療

全身症状の程度に合わせて電解質などの補正をし、抗生物質の投与を開始し、併せて卵巣・子宮全摘出術を行なうことが必要です。

○ 予防

この病気を予防する事は基本的には難しいです。しかし、黄体ホルモンが原因になるので、発情の後の時期に多飲多尿やおりものに注意し、早期発見早期治療を心がけましょう。また、赤ちゃんを作る予定のない女の子は避妊手術をお奨めします。卵巣を摘出すれば、黄体ホルモンがでないので、子宮蓄膿症にもなりませんので、安心です。
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