アレルギー性皮膚疾患のお話<その2>

アレルギー疾患の検査はいくつかありますが、中でも皮内反応検査は信頼性が高いといわれています。この検査は、私達が小学校の時に行うツベルクリン反応もその内の一つで、ワンちゃんに行う時には脇腹の毛を刈り、皮内にアレルギーの抗原を注射して赤く張れてくる反応を見ます。この検査は、手間がかかることなどからはじめに行う検査ではなく、治療に上手く反応しないワンちゃんに行われます。まず一般的に行われている検査は、血液中の抗体(IgE)を調べる検査で、これは血液をとって検査センターに送るだけで出来る動物たちに負担をかけない簡単な検査です。この結果によって、アレルギーの原因の可能性が高い食事の原材料や花粉の種類が解ったり、ハウスダストや家ダニ、ノミなどに対するアレルギーの疑いがあるかが解ります。その他に、抗アレルギー食を与えそれに対する痒みの変化を見たり、原因と思われる原材料をわざと与え痒みが現れるかを見ること(診断的治療と再現試験)もあります。また、アレルギー性皮膚疾患では一般的な血液検査で好酸球の数が増加したり、皮膚やリンパ節の検査で好酸球が見られる事もあります。

治療は、アレルギーの原因の回避と薬による痒みのコントロールです。アレルギーが疑われたらまずノミの治療とそのあとの予防が大切です。ノミがいるようでは、そのあとの診断・治療に進む事はできません。アレルギー検査で疑わしい原因がわかっている時には、原因の回避を考えます。いつも床に近いところにいる動物たちは、まず環境の中の家ダニに対する処置を考えてあげて下さい。掃除や除湿、防ダニふとんなど色々あります。食物アレルギーが考える時は、家で作る除去食や動物病院にあり抗アレルギー食が必要になります。この食事療法は、今までに食べたことのない良質蛋白源で消化の良い食事(家で作る食事、アイムスのFP、ヒルズのd/d、ウォルサムのセレクトプロテイン、スキンサポートなど)とアレルギーを起こさない程たんぱく質を小さくした食事(ヒルズのz/d)があります。もちろん、この期間中おやつはダメです。痒みに対する薬物療法は、ステロイドと抗ヒスタミン、不飽和脂肪酸製剤です。痒みの程度にもよりますが、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)を導入薬とし、維持期にはステロイドを徐々に減らし抗ヒスタミン剤と不飽和脂肪酸を与えます。この使い方に関しては、良く獣医さんと相談してみてください。

これらの治療と共にスキンケアーが大切です。シャンプー療法は、皮膚の状態を改善すると共にアレルギーの原因を洗い流します。それには、低刺激性で痒み止めの効果のある薬用シャンプーを選んであげて下さい。また、2次的な感染症がある時には、細菌(ブドウ球菌など)やマラセチア(酵母の仲間)に対しての治療も必要になります。
悪くする原因として精神的要因が関係している事もあります。環境が落ち着かなかったり、ワンちゃんの性格や飼主さんとの関係のため自己主張が激しいことが問題になるケースもあります。これに対し環境の改善や精神療法(しつけを通してよい関係を作る事)、行動学的薬物療法が必要になります。

最後にアレルギーは完治する病気ではなくコントロールする病気であることを理解し、しっかり継続してあげることが大切です。体質と付き合って行く病気であるため、その子にあったきめ細かいケアを心がけてあげましょう。

おおむら動物病院 健康相談 イラスト

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